DVDリッピングの違法化について

技術的保護手段(コピーガード)

同じ改正著作権法のひとつなのでついでに説明しておきます。
2012年10月の著作権法の改正で技術的保護手段(コピーガード)の適用範囲が拡大されました。
これは「DVDリッピングの違法化」と呼ばれています。

技術的保護手段
人が知覚出来ない方法(電子的・磁気的方法など)によって著作権を保護するものを言う。
平たく言えばコピーガード、コピープロテクションなどの複製を出来なくする技術。
リッピング
CDやDVDなどのデータをパソコン内に複製すること。
吸出し、取り込みとも言う。

著作物(CDやDVDなど)にコピーガードが施されている場合、コピーガードを回避して複製する行為は2012年の法改正より以前から違法行為となっています。
そして今回の法改正ではDVDに使用されているアクセスコントロール技術であるCSSが技術的保護手段の一種としてみなされるようになりました。

パソコンに詳しくないとわかりづらい話ですが、DVDに使用されているCSSという技術はコピーを防止するための技術ではなく再生する機器を限定するための技術です。
CSSがあってもコピー自体は可能なのですが、コピーされたデータは暗号化されていて、暗号を解除しない限り再生することは出来ません。

この暗号を解除してコピーする行為は今までは合法だったのですが、今回の法改正でこの行為が違法とみなされるようになりました。

CSSは商業用DVD(セルDVD、レンタルDVD)の大半に採用されている技術で、実質的にDVDのリッピングはほぼ違法化されたということになります。

「リッピング違法化」の誤解

今回の法改正を受けてネットでは「リッピング違法化」と大きく騒がれました。
しかし「リッピング違法化」は正しい表現ではなく「音楽CDのリッピングが違法になる」との誤解を招いてしまいました。

あくまでもCSSなどの暗号化技術がコピーガードの一種とみなされるようになっただけで、普通の音楽CDにはコピーガードも暗号化もありません。
音楽CDのリッピングは今までどおり行って大丈夫です。

またCSSやそのほかのコピーガードがないDVDのリッピングは変わらず合法です。
個人で作ったDVDなどには普通はコピーガードはありませんのでリッピングして問題ありません。

刑事罰はなし

DVDのリッピングはほぼ違法となりましたが、刑事罰は設けられていません。
これは個人的に行われる複製を発見し処罰することは実質的に不可能であることが理由と考えられます。

しかし違法ダウンロードが刑事罰化されたように、今後の法改正によっては刑事罰が付く可能性はないとは言えません。

コピーコントロールCD(CCCD)について

今回の法改正とは直接関係ありませんが、コピーコントロールCDと呼ばれる著作権保護技術が施された音楽CDがあります。
このCDを複製する行為が違法となるかどうかはやや微妙な点です。

コピーコントロールCDに使われている技術は非常にお粗末なもので、コピーガードと呼べるかどうかも怪しいものです。
著作権法の「技術的保護手段」の項には以下のように書かれています。

~これに用いられる機器が特定の反応をする信号~


著作権法第2条1項20号

パソコンで音楽CDを取り込む場合、読み取りエラーを検知すると再度同じ箇所を読み取り正常な信号が読み取れるまでこれを繰り返します。

コピーコントロールCDのコピー防止技術は、通常の音楽信号に意図的にエラー情報を混入する、というものです。
通常のCDプレイヤーではエラー訂正機能により正常な音声信号に復元されますが、パソコンで取り込もうとするとエラー訂正ではなくエラー箇所を再度読み取ろうとします。
しかし何度読み取っても最初からエラー信号が混入されているので、読み取りは成功せず取り込めない、というものです。

しかし読み取るCDドライブによっては問題なく取り込みが出来るものがあります。
機器によって異なる結果となるようなものが「特定の反応をする信号」と言えるかどうかは疑問です。

また意図的にコピーガードを無効化したのならともかく、通常の音楽CDと同じようにリッピングして取り込めた場合は「技術的保護手段の回避しての複製」とは言えない可能性が高いです。
つまり通常の方法でリッピングできたのなら気にすることはないと言えます。

コピーコントロールCDには他にも「CDプレイヤーでも正常に再生できない」「CDプレイヤーが壊れた」などの問題が発生し、ユーザーの間でも非常に評判が悪いです。
コピーコントロールCDはCDと名が付いていますが音楽CDの規格からは外れており、メーカーも動作保証対象から外しています。
そのためかコピーコントロールCD自体が現在ではほとんどありません。

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