有償著作物とは具体的にどんなもの?

Q:有償著作物の違法ダウンロードが逮捕の可能性があるのはわかりましたが、有償著作物とは具体的にどういったものが含まれますか?

A:コンテンツ視聴者が対価を払うものが想定されているようです。

著作権法には以下のように定義されています。

有償で公衆に提供され、又は提示されているもの


(著作権法第119条3項)

「有償で提供される」という部分がいまひとつあいまいですが、 文化庁見解では以下のようになっています。

その具体例としては、CD として販売されていたり、有料でインターネット配信されているような音楽作品や、DVD として販売されていたり、有料でインターネット配信されているような映画作品が挙げられます。
ドラマ等のテレビ番組については、DVD として販売されていたり、オンデマンド放送のように有料でインターネット配信されていたりする作品の場合は、有償著作物等に当たりますが、単にテレビで放送されただけで、有償で提供・提示されていない番組は、有償著作物等には当たりません。
(もっとも、違法にインターネット配信されているテレビ番組をダウンロードすることは、刑罰の対象ではないものの、法律違反となります。)


違法ダウンロードの刑事罰化についてのQ&A - 文化庁(PDF)

つまり動画や音声を楽しむ側の人間がお金を払うべきものが有償著作物として定義されているようです。
通常の地上波のテレビ放送など、無料で見ることができるものは有償著作物には該当しないようです。

ただしこれはあくまで文化庁見解なので、司法判断では異なる可能性があります。
テレビ番組等はそれ自体は無料で見ることは出来ますが、ボランティアで放送しているわけではなく商業的な活動として放送しています。
つまり金儲けのために番組を作って流しているので、このことが「有償」と判断される可能性はあります。

テレビ番組は違法ダウンロードしても逮捕されないんだ、と文化庁見解を鵜呑みにしてダウンロードしまくるとある日突然警察がやってくるかもしれません。

有償の写真や漫画は?

2021年1月施行の改正著作権法により、違法ダウンロードの条件から「映像と音声」はなくなり、全ての違法アップロードされている著作物が対象となりました。

ここから下は法改正後に大幅に書き直しています。

2021年1月施行の改正著作権法では有償著作物の定義が拡大され、従来は映像・音声に限定されていた有償著作物の定義が、有償で提供される全ての著作物を含むようになりました。
なので市販されている漫画等が違法アップロードされている場合に、それをダウンロードする行為は刑事罰のある違法ダウンロードに該当します。

ただし全てのダウンロードがNGというわけではなく、映像・音声に比べれば若干条件が緩いものとなっています。
詳しくは画像(漫画・写真)や小説は違法ダウンロードになる?で説明しています。