違法ダウンロードには漫画や小説は含まれるか?

Q:音楽や動画が違法ダウンロードの対象なのはわかりましたが、漫画や画像、小説などは違法ダウンロードになりますか?

2021年1月施行の改正著作権法により、違法ダウンロードの条件から「映像と音声」はなくなり、全ての違法アップロードされている著作物が対象となりました。

このページは法改正後に大幅に書き直しています。

A:違法ダウンロードの対象です。

著作権法に違法ダウンロードの規定が出来た当初は、違法ダウンロードの対象となる著作物は「映像または音声」に限定されていました。
しかし著作権法の改正により、2021年1月からは全ての著作物が対象になっています。
なので、違法にアップロードされている漫画や小説などをダウンロードすることも違法ダウンロードに該当します。

映画や音楽は違法配信(海賊版)のダウンロードの被害が大きいことからダウンロード違法化されました。
しかし海賊版のダウンロードによる被害が大きいのは他の著作物でも同じで、特に漫画が無料で読めるサイトは一般ニュースにも度々取り上げられるほど大きな話題となりました。
こういった実態から、映像と音声に限定することなく全ての著作物が違法ダウンロードの対象とされたようです。

条件

ただし映像・音楽とその他の著作物とでは、違法ダウンロードの条件が若干異なります。

映像・音声に関しては「違法アップロードされたものを」「違法なものと知りながら」「デジタル方式の録音・録画」することが違法ダウンロードに該当します。

映像・音声以外の著作物の場合は、

  • 違法アップロードされている著作物を
  • 違法なものと知りながら行う
  • デジタル方式の複製をすること
  • ただし軽微なものは除く

といった具合です。

軽微なものとは、例えば漫画の一コマのダウンロード、小説の一文のダウンロードなどが考えられます。
漫画の一コマであっても権利者に無断であればアップロードする行為は違法アップロードです。
しかしそれをダウンロードする場合は、漫画の一コマは著作物全体からすれば軽微なものなので、違法ダウンロードには該当しないと考えられます。

さらに刑事罰については、有償著作物の違法ダウンロードに該当する行為を反復、継続して行っている場合に限定されています。
これは特に悪質な行為に限定するための規定です。


ここから下は法改正前の古い情報です。
今現在では間違いなので注意してください。

A:違法ダウンロードには該当しません。

違法ダウンロードに該当するのは「違法にアップロードされた映像または音声」です。
漫画、写真、画像、小説などは映像でも音声でもないので違法ダウンロードの対象ではありません。

著作権法での違法ダウンロードの定義は以下のようになっています。

著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であつて、国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を、その事実を知りながら行う場合
(著作権法第30条1項3号)

「デジタル方式の録音又は録画」という点がポイントで、映像と音声に限定されているのはこのためです。
画像や文字データは録音にも録画にも該当しないため、違法ダウンロードの定義からは外れます。

なぜ映像と音声のみに限定されたか?

なぜ違法ダウンロードの対象が映像と音声のみに限定されたのかは不明です。
著作権を守る目的であるならすべての著作物が対象になってもよさそうなものですが…。

文字や画像は動画・音楽に比べるとダウンロードが容易だからとも考えられますが、インターネット黎明期ならともかく今はどの家庭でもブロードバンド回線、携帯でも高速回線が当たり前です。
もはや動画や音楽はインターネットで手軽に見れるコンテンツです。

文化庁審議会の議事録を読んでも「違法コンテンツによる音楽産業の損害が大きい」とは書かれていますが、その他の著作物に関しては議論された様子はありません。
(私が見つけられていないだけかもしれませんが)

今後範囲が拡大される可能性も

今のところは映像と音声だけですが、将来的に出版業界が「うちも違法ダウンロードの損害が大きい」と主張してくれば漫画や小説なども違法ダウンロードの適用範囲内になる可能性はあります。
ソフトウェア協会が主張すればコンピュータプログラム(ソフトウェア)も対象になるかもしれません。

漫画は違法ダウンロードにはならないからと違法ダウンロードばかりしていると結果的に自分の首を絞めることになるかもしれません。